【動画】暗闇の中で音楽に合わせて運動する暗闇バイクエクササイズの大規模フェスを開催=朽木誠一郎撮影
3日間で約1万人の参加者を集めたフィットネスのリアルイベントが開催された。コロナ禍を経てフィットネス業界の苦境が続く中、店舗の運営以外にもユニークな取り組みを行う事業者が会員数を伸ばしている。
その代表的な存在が、「暗闇バイクフィットネス」が人気のFEELCYCLE(フィールサイクル)だ。
コロナ禍前に10万人だった会員数は現在、18万人。クラブのような空間で、ミラーボールが照らす中、インストラクターの指示で音楽に合わせてバイクをこぐ。上半身には筋トレに近い動きを加え、時には全力走もする。インストラクターは指示を出しながら、時に歌い、踊り、力強いメッセージで参加者を励ます。
新型コロナウイルスの感染拡大により、フィットネス業界は大きな打撃を受けた。東京商工リサーチによると、フィットネスクラブの2023年度の倒産件数は28件(24年2月時点)。調査を開始した1998年以来過去最多だった2022年度の16件を大幅に上回る。
経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、フィットネスジムの利用者数のピークは18年の延べ2億5600万人。以降は伸び悩み、新型コロナの感染拡大が始まった20年には1億7100万人に急減した。21年以降の利用者数は回復傾向にあるものの、23年は2億1700万人とピークには届かない。
このような状況下で、FEELCYCLEが人気を集める理由の一つが、同ブランドを展開するFEEL CONNECTION社が16年から開催するリアルイベント「LUSTER(ラスター)」だ。LUSTERでは、音楽ライブなどに使用される会場を数日にわたり貸し切りにしてレッスンを行う。こうしたユニークな取り組みで利用者を呼び込むジムは「専門店型」と呼ばれ、規模を拡大している事業者もある。
6回目となる今年4月のイベントは、幕張メッセで開催された。3日間全11公演で、チケットは1公演につき1万円以上、各公演には約700~900人が参加。フィットネスのリアルイベントとして単独のブランドで1万人規模を集客するのは、同社によれば国内では他に例がなく、世界的にも珍しいという。
集客を支えるのが、FEEL…